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| 第八章 偽装事件続出の背景にある法律 食品問題を社会に大きな影響を与えた雪印食品は、小売店への販売用の北海道産牛や輸入牛を熊本産と偽り、輸入豚を国産豚と偽っており、事情を知る人たちはその当時から、これは氷山の一角ではないかと疑っわれていた。その後三越の贈答用品や郵便局のゆうパックの一部の国産牛も輸入牛だったことが発覚し、さらには大手食肉卸のスターゼンも牛乳をブランド牛と、白豚を黒豚と偽っていたことが発覚した。 実際、食肉の産地偽造は、何も最近始まったわけではないと言われており、昭和の時代から業界内での噂は絶えたことがない。しかし、最近まで違法表示に関する法律の規制は、公正取引委員会管轄の「景品表示法の不当表示」しかなかったが、景品表示では、「違法表示は即違反」となるわけではない。消費者が、違法の表示から不利益を被ったかどうかが問題になる。「多少の違法は大目に見ている。大きな違法はいけないが、小さな違法はならおとがめなし」というものだ。だからめったにないことでは違反にならない。もう一つ厚生労働省管轄の「食品衛生法」があるが、これも「違法をいったことで食中毒になれば違反となるが、食中毒にならない違法なら殆どの場合違反とはならない」。 前述の法律の甘さは小売業も問屋もよく把握しており、抜け穴を利用して偽造表示で補助金を騙し取り安いものを高く販売して、不当な利益を得ている構造である。 雪印をはじめ各企業とも、最初は小さな「違法」、やむにやまれぬ「違法」だったかもしれないが、それがうまくゆき、誰にもとがめられなかったため、罪意識すら持っていなかったと思われる。 第一節 農水省ガイドラインによる表示 特別栽培農産物である減農薬や無農薬は「農林水産省ガイドラインによる表示」の表示が非常に多く使用されている。しかしガイドラインでは、減農薬の場合では「農薬名、使用回数、使用目的」、無農薬の場合は「化学肥料の使用の状況」を各々2点セットして表示しなければならない。実際店頭では2点をセットして表示しているケースは殆どなく、「農林水産省ガイドラインによる表示」だけの表示になっている。消費者はこの表示をみると農林水産省が認証しているように捉えてしまう。また2点セットして表示に違反してもガイドラインなので国は指導すらできない(注1)。注1:「デタラメ食品表示このラベルがあぶないー店先にあふれるウソの見抜き方」、垣田達也、、2002年6月5日、リヨン社、149ページ。 |
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